マーケティング・物流戦略担当 役員メッセージ

1. 家電業界を取り巻く環境

 2026年度の家電業界を取り巻く環境は、中東情勢の悪化に起因する原油価格の高騰、それに伴う家電製品の価格上昇や部材不足など、不透明感が増しています。
 また、前年度のWindows10サポート終了に伴うパソコン特需の反動減や、新型ゲーム機の発売といった市場の変動要素もあり、厳しい舵取りが予測されます。一方で、「エアコン2027年度問題」に伴う買い替え需要など、確実なプラス要因も見込まれています。私たちはこうした市場やお客さまの変化に敏感に反応し、顧客ニーズをいち早く取り入れた機動的なマーケティング戦略を展開し、経営計画の達成につなげます。この考え方を柱に、「Joshin Reborn Action2026」に掲げる3つの重点戦略を強力に推進します。

2. PB商品への本格参入

 当社の持続的な成長と収益力強化において、最も重要なキーとなるのがプライベートブランド(PB)商品の本格展開です。従来のオリジナル商品は、パソコンをはじめとする情報商品の比率が高く、収益面での貢献が限定的であるという課題を抱えていました。
 この状況を抜本的に打開するため、当社は2025年10月、仕入れ部門である商品部内に「商品開発室」を新規開設しました。これにより、企画から開発、商談に至るプロセスを迅速化し、独自のPB商品を本格的に推進する体制を整えました。
 すでに2026年6月より、ハンディクリーナーや電子レンジ、トースターといった調理・生活家電から消耗品に至るまで、順次市場への投入を進めています。今後はさらに冷蔵庫、洗濯機、エアコンといった主要な家電商品へとジャンルを広げ、お客さまにとって「最適なコストパフォーマンス」と「確かな性能」に徹底的にこだわった開発・商談を加速させます。2028年度の目標数値である「PB商品売上構成比10%」「PB商品開発目標500アイテム以上」の達成に向け、強い覚悟を持って取り組んでまいります。

3. OMO戦略の確立

 第二の戦略は、当社の強みであるEC事業と店舗を有機的に結びつける「OMO会員戦略」の深化です。店舗とECの双方を利用してくださる「相互利用会員数」を拡大することは、全体の稼働会員数を底上げし、売上増と収益貢献に直結します。私たちは、Joshinアプリを機軸とした具体的なアクションプランを展開しています。
 まず、自社ECサイト「Joshin webショップ」(以下、J-web)で購入されたお客さまを店舗へ誘導する施策である「店舗受け取りサービス」です。送料無料でお近くの店舗で商品を受け取れるこのサービスは、店舗受け取り限定クーポンの配信と相まって、相互利用件数の確実な増加を牽引しています。次に、店舗のみを利用されているお客さま向けの施策として、2026年6月より「関連商品レコメンド施策」を開始しました。店舗での購入履歴に基づき、関連商品のWeb限定クーポンをアプリで自動配信する仕組みです。例えば、店舗でクリーナーを購入されたお客さまに対し、アプリを使って専用の紙パックをご案内しクーポンを配信することで、これまでWebでの購入経験がなかったお客さまのEC利用を効果的に促進し、相互会員数は順調に上昇しています。デジタルとリアルを融合させ、お客さま一人ひとりに寄り添った最適な体験価値を提供していきます。

4. アウトレット戦略の強化

 第三の戦略はアウトレット戦略です。店舗、EC、そしてリユース事業を連動させることで滞留在庫を徹底的に削減し、適切な商品在庫による適切な経営体制を目指します。
 具体的な手法として、各店舗に散在している展示在庫や滞留在庫を東西2拠点の物流センターへ速やかに集約するスキームを構築しました。集約された在庫は、アウトレット店舗において集中的に販売されます。これにより、通常店舗における新製品の導入スピードが飛躍的に向上し、店舗の鮮度を保ちながら利益を最大化することができます。同時に、各店の滞留在庫品については、物流センターへの集約後、J-webやリユースセンターを活用して多角的に販売するルートも確立しています。今後は、業態変更によるアウトレット店舗の拡大も視野に入れ、資産の効率性を高めた「バランスシート経営」を推進します。
 以上、3つの重点戦略(①PB商品戦略、②OMO戦略、③アウトレット戦略を活用した商品在庫回転率の向上)を中心に、マーケティング及び物流戦略を実行します。これらを両輪で確実に実行し、適切な商品在庫と強固な収益基盤を持つ新生Joshinへの変革を牽引してまいります。