企業価値の向上、
そして経営理念実現へつなげます。
取締役 兼 常務執行役員
経営企画・人財戦略担当
田中 幸治
創業75周年を迎えた当社グループは、四半世紀後の2050年を見据えて「人と社会の未来を笑顔でつなぐ」を経営理念とし、「高齢社会のレジリエンス強化支援」と「家庭のカーボンニュートラルの実現」の2つの社会価値の創出によってサステナブルな社会の構築に貢献する経営を推進しています。
そしてこの2つの社会価値の創出を実現するため、「家電とICTの力で生活インフラのHubになる」を経営ビジョンと定め、当社が取り組むべき7つのマテリアリティを特定しています。そのマテリアリティの一つがダイバーシティ&インクルージョンです。
当社グループでは、多様な人財の活躍こそが社会の変化がもたらすリスクを抑制し、新たな事業機会を捉えて持続的成長につなげていく組織力の源泉であると考えています。“変化が常態”と言われる経営環境において、「生活インフラのHub」となって社会に貢献する事業を当社グループの持続的成長と企業価値向上につなげていくためには、社会が抱えるさまざまな課題や消費者の潜在ニーズに敏感でなければなりません。そして、その情報感度を研ぎ澄ますためには、多様な人財が活躍し多様な価値を生み出すことができる社内環境、つまりダイバーシティ&インクルージョンが必要です。
多様な人財が分け隔てなく活き活きと働ける環境を整備することによって、日常生活で感じている“不便”“不満”“不安” といったさまざまな生活実感を社会的な課題として社内共有することができます。また多様な人財の自由な発想から生まれる解決策を新たなビジネスに結実させることも可能となり、“新たなお客さま満足”を企業価値の向上に結びつけることができるのです。これが当社グループのサステナビリティ経営であり、多様性の確保に取り組む人財戦略は経営戦略と一体であると考えています。
“新たなお客さま満足”の創出に向け、当社グループは現在、お客さまとの接点となる多様な人財の確保・育成に取り組んでいます。多様性の確保を目指すダイバーシティ&インクルージョンの精神的基盤となるのが「人権尊重」という普遍的な価値観であり、多様な人財が持つポテンシャルを最大限に引き出し、組織のパフォーマンスを最大化する取り組みが「健康経営」です。
当社グループの人財戦略は、多様な人財が最高のパフォーマンスを発揮し、活躍できる労働環境の実現に向けた施策を推進することで、“働きやすさ”を“働きがい”へ、そして“従業員オーナーシップ”へ、さらには“従業員エンゲージメント”の高度化へとスパイラルアップさせる取り組みです。
コロナ禍と重なった前中期経営計画は多くの指標で計画未達成となった一方で、売上総利益率は24.2%から25.4%へと着実に改善させることができました。2013年3月期の20.6%と比較すると、直近10年で4.8ポイントの向上を実現しています。売上総利益額の2013年3月期比は137.8%で、売上高の伸長率111.6%を上回っています。継続的な人財投資が生活提案型の高付加価値販売につながっていると言えます。
当社グループは2050年を見据え、2030年をマイルストーンとしてバックキャスト思考で「JT-2025 経営計画」を策定し、公表しました。テーマは「お客さまの暮らしに寄り添う“コンシェルジュ”へ」です。当社グループは、お客さまとの接点を担う多様な人財の確保、育成への投資を積極的に行い、従業員エンゲージメントの高度化を推進していきます。
会社と従業員が経営のビジョンや価値観を共有しながら、従業員の一人ひとりがJoshinブランドに“絆”を感じて自発的に能力を発揮し、新たな価値の創出に積極的に貢献していこうとする意欲を引き出すことが人財戦略の目的です。従業員の積極的な経営参画による「お客さま満足の向上」を企業価値の向上につなげ、経営理念「人と社会の未来を笑顔でつなぐ」を実現したいと考えています。
従業員が一人ひとりに合った柔軟な働き方を選択でき、また、その働き方が受容される職場環境を整備いたします。さまざまな価値観やライフスタイルをもつ従業員が「働きやすさ」を感じながら就労継続できる制度や環境を整えてまいります。
- 介護相談窓口の運用開始(24時間365日、無料で電話相談可)
- 育児短時間勤務制度利用期間を子が中学校卒業までに拡大
- 育児短時間勤務制度勤務シフトを多様化
チームと自らの役割を認識し、当事者意識をもって向き合う姿勢をもつことで、個人のみならず組織のパフォーマンス向上につながります。自ら学び成長する機会として、各階層での研修を実施しております。
- 入社3年目社員対象「セルフリーダーシップ研修」によるキャリ
アオーナーシップの確立 - 50歳を迎える社員対象「キャリアプラン研修」による中高年期のキャリア形成支援
- 通信教育の推奨と修了時の補助金(費用の75~100%)支給
十分なコミュニケーションにより上司からの期待が本人に伝えられ、自らの役割を明確に認識すること、そして役割に応じて適切に評価され、公平な機会を与えられることが、働きがいにつながります。
- エンゲージメント・サーベイ(2023年度導入)結果をきっかけとした現場の対話促進
- 従業員の意見を基にした多様な働き方の構築
- マネジメントレビュー面談の実施
- 自己申告書による適材適所配置
従業員が会社の存在意義や方向性に共感できれば、従業員と会社の信頼関係は深まり、従業員エンゲージメント向上につながります。当社グループは、従業員エンゲージメントの向上による新たなお客さま満足の創出を持続的な成長と企業価値の向上につなげてまいります。
- ダイバーシティ・カウンシルを通じた従業員の経営参画による従業員エンゲージメントの向上
(全社Webアンケート「J‑Voice」や社内コミュニティによる意見発信、カウンシルによる多様な働き方の企画・立案)
社内環境整備方針
当社グループでは、多様な人財の活躍こそが、新たな事業価値を捉えて持続的成長につなげていくための組織力の源泉であると考えています。「生活インフラのHub」となって社会に貢献することを通じて、当社グループの企業価値を向上させるためには、社会が抱える課題やニーズを捉え新たな価値を生み出すことが必要です。そのために当社グループでは、一人ひとりが公平な機会を与えられ、心身ともに健康で働きがいを感じながら活躍できる社内環境を整備していきます。
そして、多様な人財の自由な発想から生まれるアイデアを新たなビジネスに結実させ、サステナビリティ経営を推進していきます。
未来のあるべき姿に向けて